名作漫画であるチを読み進める中で、単なる狂信的な悪役とは一線を画す人物の存在に気づく読者は少なくありません。 その筆頭がアントニ司教です。 彼は異端審問が吹き荒れるC教の組織内にありながら、極めて現実的で政治的な立ち回りを見せます。 彼がなぜ物語終盤でドゥラカを匿うような行動に出たのか、そして長年教会の意向に従ってきたノヴァクに対してどのような感情や疑問を抱いていたのか、単行本後半の作中の描写やセリフ回しを辿りながら独自の視点で紐解いていきます。 熱い信念がぶつかり合う群像劇の中で、彼のようなプラグマティ ...