
『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』で描かれる筆頭聖女選定会の第二次審査は、フィーアの薬草知識と規格外の能力が明らかになる重要なエピソードです。今回の審査では、王城に用意された薬草を使って5日間にわたり薬を作ることになります。
さらに、デズモンド、カーティス、クラリッサの3人の騎士団長が患者役として参加し、聖女たちの実力が試されます。フィーアはほかの聖女たちに薬作りを教えながら、失われていた薬の知識まで復活させていきます。
記事のポイント
- 第二次審査の内容と5日間のルール
- デズモンド、カーティス、クラリッサが患者役になった理由
- フィーアが聖女たちに教えた薬作りとプリシラの変化
- フィーアが625ポイントで圧倒的な1位になった理由
※原作小説第12巻およびWeb版の該当エピソードに関するネタバレを含みます。
聖女選定会の第二次審査は薬草の知識を競う試験だった
- 第二次審査の課題は5日間の薬作り
- 薬草園と離宮に用意された豊富な素材
- 薬の調合方法も審査対象になる仕組み
- 騎士団長3人が特別な患者として参加
- デズモンドの味覚障害を見抜くフィーア
- フィーアが審査で目立ちたくなかった理由
第二次審査の課題は5日間でできるだけ多くの薬を作ること

筆頭聖女選定会の第二次審査は、薬草に関する知識と薬の調合技術を競う試験です。
第一次審査が終了してから4日後、フィーアたちは王城の一室に集められ、事務官から第二次審査の説明を受けます。
今回の課題は、王城内に用意された薬草や素材を使い、5日間でできるだけ多くの薬を作ることでした。
第一次審査では、聖女たちが病気や怪我を抱えた患者を治療する能力を競いました。一方、第二次審査では、治癒魔法だけではなく、薬草の知識や調合技術が評価されます。
この違いは、聖女に求められる能力の幅を示しています。
どれほど強力な治癒魔法を使えても、魔力が尽きてしまえば治療を続けられません。また、魔法だけでは対応できない病気や症状に対して、薬という別の手段を持っていることも大切です。
フィーアは薬草を見つけること自体を楽しんでおり、今回の審査でも王城内にどんな植物があるのか興味津々でした。
ただし、本人は筆頭聖女になるつもりがありません。
第一次審査ですでに高い評価を受けていたため、第二次審査ではできるだけ目立たず、ほかの聖女たちの活躍を見守りたいと考えていました。
ところが、フィーアの薬草に対する知識は、本人が想定している以上に優れています。
目立たないように行動しようとするほど、周囲を驚かせる結果につながってしまうのが、この審査の面白いところです。
薬草園と離宮に用意された豊富な素材
第二次審査では、聖女たちが薬を作りやすいように王城内に特別な環境が用意されました。
事務官の説明によると、西側には臨時の薬草園が設置され、平地で見られる薬草が約20種類植えられています。
さらに、薬作りの素材となる実や葉を採取できる樹木も約10種類用意されていました。
薬草園だけでなく、王城の最奥にある離宮にも注目すべき場所があります。
離宮には、すでに採取され乾燥させた薬草や素材が保管されており、調合室も自由に利用できるようになっていました。
審査では、素材の使い方にも評価の違いがあります。
| 素材の入手方法 | 審査上の扱い |
|---|---|
| 自分で採取した素材 | より高いポイントが得られる |
| すでに採取された素材 | 使用できるが評価面で差がある |
この仕組みによって、単に薬を作るだけではなく、どの素材を選び、どのように調達するのかという判断力も試されます。
フィーアは王城内に残されている薬草に興味を示し、普段は行かない場所まで探索しようとします。
彼女にとって薬草探しは、試験というよりも楽しみの一つです。
一方、プリシラたちは選定会の最中ということもあり、魔力を温存しながら薬を作る方法を考えていました。
同じ審査に参加していても、薬草に対する興味や試験への向き合い方には違いがあります。
この対比からも、フィーアが一般的な聖女とは少し異なる感覚を持っていることが分かります。
薬の調合方法も審査対象になる仕組み

今回の第二次審査では、完成した薬だけを提出すればよいわけではありません。
薬を作る際には必ず事務官が立ち会い、調合の手順を確認して資料にまとめることになっていました。
提出するものは、完成した薬と調合方法を記録した資料の2つです。
場合によっては、使用した素材の一部も提出する必要があります。
この審査方法には、薬の効果だけでなく、同じ手順で再現できるかどうかを評価する意味があります。
どれほど優れた薬を作っても、作り方が分からなければ、ほかの聖女や薬師が同じ薬を作ることはできません。
フィーアは、このルールを聞いて少し困った様子を見せます。
なぜなら、彼女は薬を作る際に秤を使わず、素材の分量を感覚的に調整していたからです。
フィーアにとっては当たり前の調合方法でも、一般的な薬師や聖女からすれば再現が難しい可能性があります。
本人も、調合方法を見た事務官から不思議な作り方だと思われ、評価が下がるのではないかと考えていました。
ここには、フィーアの知識が現在の薬作りの常識から大きく外れているという問題があります。
単に薬を作る能力が高いだけではなく、既存の方法に縛られずに調合できることも、彼女の特異性を示しているのです。
騎士団長3人が特別な患者として参加する
第二次審査では、通常の薬作りに加えて、3人の騎士団長を患者として診察する特別な課題が用意されました。
本来、事務官たちは第一次審査で治療しきれなかった患者を連れてくる予定でした。
しかし、フィーアたちが第一次審査で患者を全員治療してしまったため、急遽予定を変更する必要が生じます。
そこで患者役として選ばれたのが、デズモンド、カーティス、クラリッサの3人です。
それぞれの状態は異なっていました。
| 騎士団長 | 審査時の状態 |
|---|---|
| デズモンド | 額に深い傷があり、長年の体調不良も抱えている |
| カーティス | 胸部に深い裂傷を負っている |
| クラリッサ | 外傷は見当たらない |
今回の特別課題では、聖女たちが自分で患者の症状を聞き取り、適切な薬を判断しなければなりません。
第一次審査では患者の症状があらかじめ詳しく記載されていましたが、今回は自分で状態を確認する必要があります。
さらに、作った薬が患者の症状に合っていれば、実際に服用して効果を確認できます。
症状の改善具合に応じてポイントが与えられ、通常の倍のポイントが付与される仕組みでした。
この課題は、薬草の知識だけでなく、患者との会話から必要な情報を引き出す能力も試すものです。
フィーアにとっては、3人の騎士団長と直接関わることになるため、別の意味でも厄介な試験になってしまいました。
デズモンドの味覚障害を見抜くフィーア

今回の第二次審査で特に注目したいのが、デズモンドの隠された症状です。
デズモンドは額に怪我を負っていましたが、それ以外にも長年にわたって体調不良を抱えていました。
フィーアは彼の状態を確認する中で、味覚に問題があることに気付きます。
デズモンドは普段から騎士団長として活動しており、周囲に体調の異常を詳しく伝えていたわけではありません。
しかし、フィーアは彼の状態を見抜き、味覚を回復させる薬を作ります。
この出来事は、フィーアの観察力を示す場面です。
怪我を治すことだけが治療ではありません。本人が長年抱えている不調を見つけ出し、適切な薬を用意できることも、優れた治療者には必要です。
さらに、フィーアはデズモンドに薬を渡す際、事務官を立ち会わせていませんでした。
そのため、薬による治療が第二次審査の正式な採点対象にならない可能性がありました。
フィーア自身も、選定会で高いポイントを獲得したくないと考えていたため、目立たない形で問題を解決しようとしたのです。
ところが、騎士団長たちにとっては、フィーアが何気なく行う治療そのものが驚異でした。
フィーアが審査で目立ちたくなかった理由
フィーアが第二次審査で高い評価を望まなかったのには理由があります。
そもそも、彼女は筆頭聖女になりたいと考えて選定会に参加したわけではありません。
フィーアは聖女たちの魔法を見たいという気持ちがあり、選定会への参加を受け入れていました。
また、騎士としての立場もあります。
フィーアはシリル団長のもとで騎士として活動しており、聖女としての役割だけに専念するつもりはありませんでした。
そのため、第一次審査に続いて第二次審査でも目立ってしまうことは、本人にとって都合がよくありません。
しかし、困っている人を見過ごすこともできない性格です。
デズモンドの体調不良に気付けば薬を作り、聖女たちが薬作りに苦労していれば方法を教えようとします。
つまり、フィーアは順位を上げたくないという目的と、目の前の人を助けたいという気持ちの間で行動が食い違ってしまうのです。
この矛盾が、第二次審査の騒動を生み出しています。
聖女選定会の第二次審査でフィーアが圧倒的な実力を見せた理由
- プリシラたちに薬作りを教えるフィーア
- 300年前から失われていた薬の知識
- ローズ聖女にも広がる薬作りの指導
- 4種類の新薬を生み出したフィーア
- 第二次審査の結果は625ポイントで1位
- プリシラがフィーアの実力を認めた理由
プリシラたちに薬作りを教えるフィーア

第二次審査で大きな変化を見せるのが、フィーアとほかの聖女たちの関係です。
フィーアは自分だけが優れた薬を作って高い評価を得ようとは考えていません。
むしろ、周囲の聖女たちにも薬作りの方法を教えようとします。
特にプリシラは、筆頭聖女の有力候補として育てられてきた人物です。
知識や能力に優れた聖女ですが、フィーアと接することで、これまでとは異なる薬草や薬の考え方に触れていきます。
フィーアは薬草を見つけることを楽しみ、素材の特徴を理解しながら薬を作ります。
その姿勢は、決められた知識を覚えて試験に臨むという一般的な勉強方法とは違います。
彼女にとって薬作りは、知識を使って困っている人を助けるためのものです。
そのため、薬の作り方を教える際にも、単に完成品を見せるだけではなく、実際に聖女たちが作れるように働きかけます。
この行動によって、聖女たちは自分の知識だけでは到達できなかった薬作りの方法を学んでいきます。
フィーアが周囲に与えている影響は、薬の完成数や審査ポイントだけでは測れません。
彼女の知識がほかの聖女たちにも広がることで、今後の治療現場にも変化が生まれる可能性があります。
300年前から失われていた薬の知識
今回のエピソードで特に興味深いのが、現在の聖女たちが知らない薬の知識が存在していることです。
フィーアは300年前の大聖女としての経験を持っています。
そのため、現在では一般的に知られていない薬草や調合方法についても知識を持っています。
一方、現在の聖女たちは、過去に存在していた薬の技術をすべて受け継いでいるわけではありません。
長い年月の間に知識が失われ、かつて作られていた薬が現在では作れなくなっている場合もあります。
フィーアは、こうした失われた知識を補う存在です。
ここで注目したいのは、彼女が過去の知識を単に自分だけのものとして扱っていない点です。
フィーアは現在の聖女たちに薬作りを教え、失われていた技術を再び使えるようにしていきます。
これは個人の能力を示すだけの出来事ではありません。
過去の大聖女が持っていた知識が、現在の聖女たちへと受け継がれていく展開でもあります。
作中描写から考えると、フィーアが周囲に与える影響は、本人が想像している以上に大きなものになっています。
彼女が目立ちたくないと考えていても、失われた技術を復活させること自体が、聖女たちの世界に大きな変化をもたらすからです。
ローズ聖女にも広がる薬作りの指導

フィーアの薬作りの指導は、プリシラやアナたちだけにとどまりません。
ローズ聖女にも声をかけ、薬作りに関わる機会を作っていきます。
ローズは今回の選定会で、フィーアと同じく第二次審査に参加している聖女の一人です。
フィーアが持っている知識をほかの聖女に伝えることで、個人ごとの能力差を超えた成長が生まれていきます。
特に重要なのは、フィーアが自分の方法を押し付けるのではなく、周囲の聖女たちが実際に薬を作れるようにしている点です。
薬作りは、素材の知識だけでなく、調合の順番や魔力の扱い方など、さまざまな要素が関係します。
そのため、知識を聞いただけですぐに同じ薬を作れるわけではありません。
聖女たちが実際に手を動かし、自分で薬を完成させることに意味があります。
この過程を通じて、フィーアはほかの聖女たちから信頼を得ていきます。
最初は競争相手だったはずの聖女たちが、次第にフィーアを頼り、尊敬するようになるのです。
筆頭聖女を決める選定会という競争の場でありながら、フィーアの存在によって協力関係が生まれていることは、このエピソードの大きな特徴です。
4種類の新薬を生み出したフィーア
第二次審査でフィーアが残した成果は、単に大量の薬を作ったというだけではありません。
アナの説明によると、フィーアは4種類もの新薬を作り出していました。
その中でも注目されるのが聴力回復薬です。
聴力回復薬は、ほかの聖女たちが作った量と比較しても、フィーアが約3倍の量を作っていたことが語られています。
これまで存在しなかった薬を作り出すこと自体が大きな成果ですが、それを一定量以上完成させている点にも驚かされます。
フィーアは、自分が特別なことをしているという意識があまりありません。
薬草の特徴を理解し、必要な薬を作っているだけという感覚に近いのです。
しかし、現在の聖女たちにとっては、これまで治療できなかった症状に対応する薬を作れることは大きな意味を持ちます。
また、聖女たちが作った薬は、最終日に事務官へ提出されます。
事務官たちは、これまで存在しなかった薬が複数提出されたことで、どのように評価すればよいのか困惑することになります。
薬の調合方法だけでなく、実際の効果をどのように検証するのかという問題も生じました。
この状況は、フィーアの知識が現在の薬作りの基準を超えていることを示しています。
さらに、フィーアが教えたことで、ほかの聖女たちまで新しい薬を完成させるようになりました。
フィーア一人の成果にとどまらず、選定会全体の薬作りの水準が上がっているのです。
第二次審査の結果は625ポイントで1位

5日間の審査が終了すると、第二次審査の結果が発表されます。
結果は、フィーアが圧倒的な1位でした。
| 順位 | 聖女 | ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | フィーア・ルード | 625 |
| 2位 | プリシラ・オルコット | 311 |
| 3位 | アナ | 190 |
| 4位 | ローズ | 187 |
| 5位 | ケイティ | 174 |
| 6位 | メロディ | 171 |
フィーアは625ポイントを獲得し、2位のプリシラに314ポイントもの差をつけています。
しかも、2位のプリシラと比べると、フィーアの得点は2倍を超えています。
本人は高い評価を受けるつもりがなかったため、結果を見て困惑していました。
薬の調合方法を記録したレポートも、秤を使わないフィーア独自の方法で書かれていたため、採点で不利になると考えていたのです。
ところが、実際には4種類の新薬を作ったことや、聴力回復薬を大量に完成させたことなどが高く評価されました。
ここで面白いのは、フィーア本人と周囲の評価が大きく食い違っている点です。
フィーアは目立たないようにしていたつもりでも、周囲から見れば、ほかの聖女では到達できない成果を残していました。
また、順位発表の時点では事務官たちが徹夜で採点作業を行っていたことも示されています。
規格外の薬が大量に提出されたため、審査結果をまとめる側も大変な苦労をしていたのです。
プリシラがフィーアの実力を認めた理由
第二次審査の結果で注目したいのは、プリシラの反応です。
プリシラは筆頭聖女の有力候補として選定会に参加していました。
当然、自分が筆頭聖女になることを目指していた人物です。
しかし、フィーアの能力を間近で見てきたことで、彼女に対する考え方が変わっていきます。
結果発表後、プリシラはフィーアに対して、さらに高いポイントを獲得してほしいという趣旨の言葉を口にします。
これは、単純に競争を諦めたというだけではありません。
フィーアが自分たちに薬作りを教え、これまで知らなかった薬の知識を伝えてくれたことを理解しているからです。
フィーアは、自分の順位を上げるために周囲を利用するような行動をしていません。
むしろ、聖女たちが少しでも優れた薬を作れるように助けていました。
その結果、プリシラたちはフィーアの能力だけでなく、周囲に知識を伝える姿勢も認めるようになります。
ここでのプリシラの変化は、選定会における人物関係の変化を表しています。
当初は競争相手だったフィーアが、いつの間にか自分たちを導く存在になっていたのです。
ただし、フィーアは選定会を最後まで勝ち抜くつもりではありません。
本人は途中で選定会から抜けることを考えており、プリシラが最終的にどうなるのかという問題も残されています。
第二次審査の結果だけで筆頭聖女が決まるわけではなく、第三次審査の結果も含めて総合的に判断されます。
そのため、625ポイントという圧倒的な成績が今後どのような影響を与えるのかも注目点です。
まとめ:聖女選定会の第二次審査で明らかになったこと
- 第二次審査は薬草の知識と調合技術を競う試験
- 審査期間は5日間
- 王城の西側に約20種類の薬草が用意された
- 薬草園の隣には約10種類の樹木が植えられた
- 離宮の調合室や保管素材も自由に使用できた
- 自分で採取した素材は高いポイントにつながる
- 薬だけでなく調合方法を記録した資料も提出する
- デズモンド、カーティス、クラリッサが患者役を担当
- デズモンドは額の怪我と長年の体調不良を抱えていた
- フィーアはデズモンドの味覚障害を見抜いて薬を作った
- フィーアはプリシラたちに薬作りの知識を教えた
- ローズ聖女にも薬作りの指導が広がった
- フィーアは4種類の新薬を完成させた
- 聴力回復薬はほかの聖女の約3倍の量を作った
- 第二次審査の結果は625ポイントでフィーアが1位となった
フィーアの第二次審査での活躍は、単に薬作りの能力が優れていることを示しただけではありません。
失われていた薬の知識を復活させ、プリシラをはじめとする聖女たちにも新しい技術を伝えたことで、選定会全体に影響を与えています。
本人は目立ちたくないと考えているにもかかわらず、結果的に625ポイントという圧倒的な成績を残してしまいました。
次の第三次審査では、聖女たちが魔物討伐に随行し、騎士たちの治療に関わることになります。第二次審査で作られた魔力回復薬がどのように役立つのか、そしてフィーアがどのような活躍を見せるのかにも注目です。





